日本で「搾菜」といえば、桃屋の「味付搾菜」。そこで、株式会社桃屋の営業企画室室長、笠原勝彦さんにうかがいました。

桃屋「味付搾菜」は今年で発売50周年

桃屋「味付搾菜」は50年前、1968年に発売されました。現在の名誉会長、当時専務だった小出さんが、幼少期に中華料理屋さんで食べた搾菜の味が忘れられずに商品化を提案。

ところが、当時の日本では搾菜を食べたことがある人はほとんどいません。しかも原料も手に入りにくいということで、会社は猛反対。そこを乗り越え、小出さんの熱意で味付けを日本向けにアレンジした「味付搾菜」が誕生したのです。発売されるたちまち大ヒット、桃屋を代表する商品となりました。

「搾菜」は比較的新しい漬物

「搾菜」は中国の重慶市の特産で、1800年代に生まれたと言われる比較的新しい漬物。

原料は中国の野菜・大芥菜(ターチェツァイ)というからし菜の一種の、コブの部分。このコブの部分は青菜頭(チンツァイトウ)と言います。1月から3月が収穫の旬で、大人の握りこぶしくらいの大きさがあります。揚子江の近くでだけ栽培されてる特殊な野菜です。地元ではスライスして野菜炒めに使うこともあるようですが、ほとんどが漬物になります。

桃屋で作っている「搾菜」は、中国の伝統的な作り方。いまではこの伝統を受け継いでいるのは中国ではほとんど見られず、桃屋が後世に伝えているのです。

「味付搾菜」のおいしさの秘密

「味付搾菜」の作り方は、まず青菜頭(チンツァイトウ)を数珠つなぎにしてつなげ、風に当てます。さらに2ヶ月間に3回の塩漬けをしたら、漢方薬などに使われる10種類以上の香辛料とあわせて、甕にぎゅうぎゅうに詰め込みます。蓋をして1年間発酵熟成させます。この漬物を塩抜きして洗浄、スライス、味付けして完成。しょうゆベース、砂糖とごま油で炒めてあります。

フレッシュから瓶詰めになるまで2年かかっています。

「味付搾菜」で失敗ナシの絶品料理

牛肉と搾菜の炒め物
細切り牛肉(200g)に片栗粉をまぶし、フライパンに入れて「味付搾菜」(1瓶)と炒めるだけ。「味付搾菜」の中の汁も一緒に炒めてください。

搾菜炒飯
卵と一緒に炒めたごはんに、適当な大きさに切った「味付搾菜」を入れれば完成です。

搾菜茶漬け
「味付搾菜」を刻んでごはんに乗せ、暖かい烏龍茶(冷たくでもOK)をかけていただきます。

今週の熊八レシピは「搾菜」

搾菜冷奴

  1. 豆腐をペーパータオルで包んでおくか、パックの一部に切れ目を入れて水を切ることを3回ほど繰り返して、豆腐の水分をとります。
  2. 豆腐の上に粗く刻んだ搾菜を乗せ、青ネギ(小口切り)か水にさらした白髪ねぎを添えてどうぞ。

搾菜スープ

  1. 鶏ガラスープを用意します。できれば無塩タイプ、なければ薄味にしておきましょう。
  2. 細切りまたは粗く刻んだ長ネギを入れて、2〜3分煮ます。
  3. ここに粗く刻んだ搾菜を入れます。
  4. 一煮立ちしたら溶き卵を入れて火を止めます。
  5. 卵が固まるのを待って、塩コショウ、ごま油で味付けしたら完成。

搾菜チャーハン熊八流

  1. 桃屋「味付搾菜」100g、ごはん3杯、卵3〜4個、長ネギ1/2〜2/3本を用意します。
  2. 長ネギは粗みじん、搾菜は粗く刻んでおきます。
  3. フライパンにサラダオイルを入れてあたため、ここに溶き卵を入れます。
  4. 卵が半熟になったら長ネギをいれ、搾菜を入れます。
  5. あたたかいごはんを入れて混ぜます。
  6. 全体が混ざったら日本酒大さじ1〜2を入れ、少しだけ醤油を入れ、塩コショウで味を整えます。
  7. 仕上げに白ごまをかけて完成。