和歌山県由良町の特産・衣奈ワカメについて、紀州日高漁業協同組合の大畑佳久さんにうかがいました。

和歌山「衣奈ワカメ」の特徴

由良町は、昔からワカメの養殖が盛んなところ。和歌山でも養殖ワカメの南限にあたります。海流や水温のせいか、ワカメがあまり大きくなりません。そのため、歯ざわりが柔らかいという特徴があります。由良町の海は、季節風がまともに吹き付けるような地形をしているので、水温がどんどん下り、いいワカメが育つのです。

ワカメの養殖は、冬の寒い風の中で…

ワカメの養殖は寒い時期に行われます。11月の終わり頃に、ロープにワカメのタネ(タコ糸にワカメの胞子をつけて発芽させたもの)を2、30センチ間隔で埋め込み、それを海に浮かべます。

収穫は、1月の終わり頃から2月いっぱいです。1月の終わりごろの若いワカメは生で、2月のワカメは乾燥ワカメに、2月終わりに就職したものは塩蔵ワカメになります。

収穫が終わると養殖の足場なども片付け、普通の海に戻ります。

黒っぽい色の「生ワカメ」は、さっと湯に通してしゃぶしゃぶにして食べるのがオススメ。この時期しか食べられない旬の味です。生ワカメは古くなると茶色く変色してきますので、買う時は黒っぽいものを選びましょう。残ったものはナイロン袋に入れ、できるだけ空気を抜いて冷蔵庫か冷凍庫で保存してください。

ワカメのおいしい食べ方

  • ワカメがメインのサラダ。生ワカメを湯がいてカットして、他の野菜なども合わせて。味つけはポン酢でOKです。 
  • 由良のハリワカメもオススメ。ワカメを海苔のようなシート状にしたもので、これで巻き寿司を作ると最高です。
ハリワカメ | 和歌山県優良県産品(プレミア和歌山)推奨制度 | 和歌山県ホームページ
ハリワカメは、ワカメの柔らかな葉の部分を板状に貼り合わせて乾燥 させたもので、ワカメ養殖の盛んな由良町の特産品です。ハリワカメ で巻いた巻き寿司は食べると口の中にワカメの風味が広がり、食感が 良く人気の商品となっています。
▼生産時期になると、こちらのサイトで通信販売も始まります。
紀州日高漁業協同組合
 

今週の熊八レシピは「ワカメ」

ワカメの酢の物のポイント

  • 乾燥ワカメなら水で戻す、塩蔵ワカメなら塩分を抜いて戻します。ワカメの酢の物の最大のポイントは、ワカメの戻し方。ワカメの歯ごたえが残っていないとおいしくならないので、戻しすぎに注意しましょう。
  • 水気を切ってお酢と和えるのは1分ほどでOK。食べる直前に和えるのがポイントです。
  • 一緒にきゅうりを入れるなら、塩もみして水気を切ったものをさっと混ぜましょう。合わせるものの水気を切って下味をつけておくのがポイントです。

ワカメチャーハン

  1. 乾燥・塩蔵ワカメを固めに戻し、食べやすい大きさ(1センチ角)に切っておきます。
  2. 長ネギのみじん切りをフライパンに入れて、サラダオイル(ひとり大さじ1杯ほど)を多めに入れて炒めます。
  3. ネギが透き通ってきたら、溶き卵を入れてよく混ぜます。
  4. ワカメを入れて炒め、あたたかいごはんを入れて全体を混ぜて、鍋肌から日本酒、お醤油、塩コショウで味を整え、仕上げにごま油を入れます。
  5. 盛り付けて白ごまをふりかけたら出来上がり。

ワカメスープ

  1. 鶏ガラスープの素、もしくは中華スープの素を使ってスープを作り、沸騰させます。
  2. 鍋の真ん中に泡が集まるのでおたまですくって取り除きます。これを2、3回行うと澄んだスープになります。
  3. ここに固めに戻したワカメと、ワカメの戻し汁を少し入れて、一煮立ちしたら完成です。
  4. ラー油やごま油、ネギや白ごまを入れてもいいでしょう。