岩手県・盛岡のソウルフードと言われる「コッペパン」。現在のコッペパンブームの元祖でもあります。福田パンの社長・福田潔さんにうかがいました。



「福田パン」のコッペパン

福田パンのコッペパンは、ラグビーボールを半分に割ったような大きな形。

67、8年前、岩手大学のお腹をすかせた学生さんにおなかいっぱい食べてもらいたいと考案。コッペパン1個と牛乳1本で、ご飯2膳と味噌汁1杯分のカロリーになるよう大きさを計算して作りました。

当時は砂糖やマーガリンが手にはいなかったため、フランスパンから始まりました。フランスパンからのスタートしたため、最初は「フランス」と呼ばれていました。

今も形は当時のままですが、生地は時代に合わせてかわってきました。徐々に柔らかいふかふかの現在のコッペパンに改良されていったのです。

創業者は酵母菌を研究する研究者だったため、他のパン屋さんとは違う製法でコッペパンを作っています。福田社長も、『他の工場では「福田パン」の味を作る自信がない』とおっしゃいます。

もし自分でパンを作っている方が今よりおいしいパンを作りたいなら、副材料を多く入れたり、生地を普段より多く練ると、膨らみがよくなります。

間に挟むものの種類は50種類

戦後まもまくオープンしたパン屋さんは、今のベーカリーのようにたくさんの種類が作れなかったので、食パンなどに具材を挟んでバリエーションを増やすお店が多かったそうです。「福田パン」では、食パンではなくコッペパンでバリエーションを出していきました。

創業当時は日によって手に入る具材が違ったため、その時手に入ったものを挟んでいましたが、今では「福田パン」の定番スタイルとなりました。

一番人気は、あんことバターをはさんだ「あんバター」。社長がお好きなのは「チキンミート」だそうです。

福田パン 長田町本店
住所:岩手県盛岡市長田町12-11
TEL:019-622-5896
営業時間:7:00~17:00(※売切れ次第終了)
定休日:お盆・年末年始

今週の熊八レシピは「コッペパン」

コッペパンの思い出

熊八さんが子供のころ、給食に頻繁に登場したのがコッペパン。どんな和風なおかずだろうと中華だろうと、ごはんではなくパンが提供されたものです。

たまに出る揚げパンはご馳走。熊八さんのお母様が揚げパンが好きだったので、半分持ち帰ったこともあったそうです。

子供の頃、おやつに近所のパン屋さんで買ったのもコッペパン。マーガリンとジャムをはさんで食べるのにハマっていたんだとか。50年くらい前のお話です。

コッペパンに何はさもう!?

コッペパンに横から包丁を入れて、中にいろんなものをはさんでみましょう。
  • バターを塗ってから、ハムとスライスチーズ。ここにイチゴジャムやアプリコットジャムの甘みをプラスすると意外なおいしさです。
  • ローストチキンかローストポーク、ピーナッツバター、ジャムの組み合わせ。
  • コンビーフとパイナップル。
  • ツナ、らっきょうやたくあん、マヨネーズ。

コッペパンにカレー

  1. コッペパンに切れ目を入れて、隅々までバターを塗ります。
  2. ここにカレーを塗ります。20センチのコッペパンにカレーを大さじ1杯くらいの量です。具材ははさみません。
  3. 青カビ系のチーズ、プロセスチーズなどを少しはさんでもおいしいですよ。