株式会社ユーハイムの石井亜矢子さんに
バウムクーヘンについて、詳しくうかがいました。


古代ギリシャ時代に生まれた!?「バウムクーヘン」

バウムクーヘンの起源は諸説あって、
古代ギリシャ時代まで遡ります。
紀元前100年のオベリアスと呼ばれるパンがルーツ。
木の棒に小麦粉の生地をつけて焼いていったものです。

それから長い時が流れ、
15世紀にバターや卵、そしてそのあと砂糖が普及して
やっとお菓子になりました。
ドイツに伝わったのは17世紀ごろと言われています。

バウムクーヘンの歴史がお菓子の歴史とも言えます。

バウムクーヘンがドイツのお菓子になったのは

ドイツは森がたくさんあり、
「木のお菓子」ということで
ドイツに根付いたと言われています。

実はドイツでは「お菓子の王様」と言われ、
特別な時にしか食べないもの。
日本のようにどこでも手に入るのは、
ドイツの方にとっては驚きなんだそうです。

ユーハイムの歴史

日本に来る前、青島で菓子店を開いていたカール・ユーハイム。
1919年、第一次世界大戦の捕虜として日本に連れてこられ、
広島県物産陳列館で日本で初めてのバウムクーヘンを焼きました。
これが大好評で、「日本でやっていける」と手応えを感じたんだそうです。
1922年、横浜に「E・ユーハイム」を開店しましたが、
関東大震災の被害に会い、神戸へ移住。
神戸にお店を開きました。

バウムクーヘンの作り方

バターや卵をふんだんに使った生地を、
回転している木の芯棒を少しずつかけて焼いていきます。

一番大きなバウムクーヘンで17〜19層、
45分かけて焼き上げます。
職人さんが生地の様子を見ながら丁寧に焼いています。

芯棒は大きなもので2メートル、
焼き上がりは10キロになります。

工場ではチョコレートコーティングしているので、
2、3日寝かせていますが、
購入してからすぐ食べるのが一番おいしいそうです。

おいしさの秘密は、卵を卵白と卵黄にわけて泡だてる別立て法。
卵の良さを最大限に生かして作り上げるので、
口どけが違います。

バウムクーヘンの正しい切り方

石井さんのオススメするバウムクーヘンの切り方は、
バウムクーヘンをすくうようにするそぎ切り。
これが一番、口どけのよさを味わえるそうです。

下記の写真の一番左のような感じで、
すくうようにカットしていきます。


ユーハイムの社員は、
専用のバウムクーヘンナイフ(非売品)を持っているんだそう。

バウムクーヘンのおいしい食べ方

ドイツでは無糖のホイップクリームを添えて食べるのが一般的。

また、焼きたての食感を味わうために、
電子レンジで20秒温めてから、アイスクリームを添えて。

バウムクーヘンの保存は、生地が乾燥しないように密閉して常温。
冷蔵庫に入れた場合は、常温に戻してからどうぞ。



今週の熊八レシピは「バウムクーヘン」

バウムクーヘンのアレンジ3種

  • 2センチの角切りにして、溶かしたチョコレートをつけ、粗熱をとったら冷蔵庫でさっと冷やしてチョコを固めて食べる。ホワイトチョコレートでも。
  • とろけるチーズをフライパンで溶かし、ここに角切りにしたバウムクーヘンを入れてチーズを表面につけて、冷ましてから食べる。
  • バウムクーヘンにバターをつけて食べる。

バウムクーヘンでホールケーキ

  1. 高さのあるバウムクーヘンを用意して、1〜2センチの輪切りにします。
  2. ラム酒と水と砂糖を混ぜたものをバウムクーヘンに染み込ませてしっとりさせます。
  3. バタークリーム(無塩バター200g、牛乳大3〜4杯、砂糖300gをしっかり混ぜたもの)を塗って、いちご、栗の甘露煮、黄桃など少し固めのフルーツをトッピング。冷やしてからカットします。

あまじょっぱく食べるバウムクーヘン

  1. バウムクーヘンを薄く切り、クリームチーズを乗せ、生ハムの乗せます。ピンクペッパーをちょっと乗せて完成です。
  2. スモークサーモンとケッパーの組み合わせもおいしいですよ。
  3. また、2センチくらいの角切りにしてオリーブ、プチトマトなどを一緒に楊枝にさしてピンチョスにしてもOK!